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020 同窓会

last update Last Updated: 2025-12-09 11:00:49

「メールですか?」

「え? ああ、うん……ちょっとね」

「……」

 その様子、覚えがあった。

 何か後ろめたいことがある時。

 人に踏み込んでもらいたくない時の、自分の反応だ。

 自分が相手だと本当、分かりやすいと思った。

 いつもならきっと、「そうですか」と言って終わらせていただろう。

 でも恋〈レン〉は感じていた。

 このメールはきっと、私たちに関係がある。

 だから聞いた。心の中で「ごめんなさい」そう思いながら。

「誰からですか?」

「いやいや恋ちゃん、顔が怖いから」

「そのメール、私にも関係あることですよね。花恋〈かれん〉さんを見てたら分かります」

「参ったな……このタイミングでメールが来るって、精霊ちゃんの仕業かなって思っちゃうよ」

「じゃあやっぱり」

「いいよ。見せてあげる」

「……」

 メールの相手を見て、恋は驚いた。

 大橋雅史〈おおはし・まさし〉。

 クラスメイトの名前だった。

「どうして大橋くんと」

「一か月ぐらい前に、同窓会があったんだ」

「同窓会……」

「卒業してもうすぐ10年になるし、久しぶりに会わないかって大橋くんが号令をかけたの。ほら、彼って確か、クラス委員やってたじゃない? 人気者だった彼が発起人、参加する人も多かった。ほとんど来たんじゃないかな」

「蓮司〈れんじ〉さんは」

「あいつは来なかった。まあ、聞くまでもなかったけどね」

「……そうなんですね」

「今の恋ちゃんにはピンとこないと思うけど、懐かしかったよ。いいクラスだったな、あの頃は楽しかったなって、ちょっと感傷的にも

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